オーガニックマーケティング協議会

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オーガニックマーケティング協議会って何?
[オーガニック]の実践・普及・促進を目的とした非営利の協議会。 らでぃっしゅぼーや、オーガニックスーパー、有機JAS認証機関などを設立してきた徳江倫明が推進役となって、全国の有機農家、各界の専門家が連携し、分析・調査・提言を行う、[オーガニック総合シンクタンク]です。

今回のコラム

オーガニックなお米づくり[田んぼの草取り]

10月。お彼岸も過ぎて本格的な秋です。秋冬の野菜、キノコ、栗、サンマなど、食卓も秋らしくなってきました。全国の田んぼではお米の収穫も始まって、待ちに待った新米も出はじめました。作況指数は102の「やや良」で、おコメ不足もないようです。
お米は古くから水田[田んぼ]で栽培されてきました。農家の方々が先祖代々、たいへんな労力をかけて築いてきた“田んぼ”。山からミネラル豊かな水が注げば、肥料が少なくてすみ、水が土をきれいにしてくれるので、同じ田んぼでも、半永久的にお米作りを続けることができます。“田んぼ”は、水が豊か、温暖で湿潤な、アジアならではの栽培方法、といえるでしょう。

さて、この豊かな環境は、雑草にもよい条件なので、お米づくりの歴史は、草との戦いの歴史でもありました。“田植え”の前の代かきは、田んぼの土をならしながら、雑草を根絶やしにする知恵だし、田植えそのものも、苗代(なえしろ)で先に苗を育て田植えすることによって雑草より早く稲が育ち、草取りを軽減することにもなります。また、水を張るので、乾いた土が好きな雑草も生えません。
それでも生えてくる雑草は、農薬を使わない限りは、機械や人の手で取りのぞくしかありません。初夏のうだるような暑さの中、田んぼの中での這うような草取り作業は、 過酷な重労働です。

梅雨が明けて行う“土用干し”は、田んぼの水を抜くことで、湿った環境を好む雑草を枯らします。土の中の空気の通りをよくして、イネを病気から守ります。根を乾かすことが、開花を促すともいわれます。
8月からはイネの花も咲き、実りの季節へ。この季節になると、あれほど農家を苦しませた雑草も勢いがありません。その一方、田んぼにはふたたび水が張られ、夏まっ盛りの強い日差しと水分で光合成もフル回転、元気を取り戻したイネは、せっせと養分を蓄えていくのです。

ざっとではありますが、オーガニックのお米は、こんなふうにして、皆さんの食卓に届きます。

とうぜんですが、雑草を枯らしたり、生やさないようにする除草剤も使いません。オーガニックな米作りでは大変な重労働である雑草対策をどうするかが最も大きな課題です。そのために農薬に頼らない新しい技術が工夫されてきました。雑草をついばんで除草してくれるアイガモや、鯉やタニシなどをうまく使ったり、田んぼ一面を紙でおおう紙マルチ農法、最近ではこうした農業が増えてきたこともあり、除草機の開発など様々な“これからの技術”が、広がり始めているのです。
何となく、原発に頼らないエネルギーづくり、太陽光発電や風力、小水力発電など自然エネルギーの普及や開発の流れと似ている感じがします。

あいうえオーガニック

遺伝子組み換え作物のこと

遺伝子組み換え作物とは、作物の遺伝的な性質を変えることでつくられた作物のことです。害虫に抵抗性のあるトウモロコシや除草剤に強い大豆など、1996年にアメリカで実用化されましたが、有機JASを含む世界のオーガニック基準では、遺伝子組み換え作物は、承認されていません。

食べた虫が死んでしまうトウモロコシや、除草剤で枯れ野と化した畑で青々と育つ大豆が、げんみつな意味で安全なのかどうか?については、今も議論が絶えません。規制をしている国も多いのが現状です。

生態系に与える影響も無視できません。農薬などは、ある意味一過性の危険性ですが、遺伝子組み換え作物は、生長し交配すれば、どんどん増殖し、長い時間をかけてその地域の環境(風土)に合った品種の形質まで変えてしまいます。一種の汚染ともいえる現象をもたらします。いったん広がった汚染をもとに戻すことはきわめて困難なのです。

日本では、遺伝子組み換え作物の栽培は認められていません。ただし、トウモロコシや大豆などの多くをアメリカからの輸入するかたちで、油やマヨネーズなどの加工食品や、家畜のえさなどとして、遺伝子組み換え作物を大量に消費しています。

このような状況で、国内各地の陸揚げ港周辺では、遺伝子組み換え作物と交配した雑草が多く発見されるなど、今後が心配されます。