オーガニックマーケティング協議会

オーガニック・プロのなぜなにコラム あんしん、おいしい、タメになる とくっちオーガニック

オーガニックマーケティング協議会って何?
[オーガニック]の実践・普及・促進を目的とした非営利の協議会。 らでぃっしゅぼーや、オーガニックスーパー、有機JAS認証機関などを設立してきた徳江倫明が推進役となって、全国の有機農家、各界の専門家が連携し、分析・調査・提言を行う、[オーガニック総合シンクタンク]です。

今回のコラム

家庭菜園から見えてくるオーガニック

家庭菜園。今年の夏はわが家もゴーヤづくりにチャレンジしました。園芸用の網を張り、購入した苗を植えて、油かすを一つまみ。ミニトマトやナスも含め、実は小ぶりで揃わず、傷や、虫にもやられましたが、いくつも採れて、大満足。農薬を使わないので安心、そしておいしかった。家庭菜園って、いいものですネ!

さて、お店に並ぶ農産物は、特段の表示がなければ、農薬を使っているのがふつうです。昔、農家の方に、農薬を使う理由を伺ったら「売り物にならないからだよ」と教えられましたが、自家用には農薬を使わないとも・・・。

確かに、見た目の良いものと劣るものが並ぶなら、良いほうを選ぶのが自然。農薬を使うのは「消費者ニーズに応えるため」。だから生産者は農薬を使う。農薬を使って見た目を優先した「売り物になる」野菜作りをするという考えは、一見正しいように思えます。

でも、それはほんとうでしょうか? 農薬をたくさん使うことが、「消費者ニーズ」にされた時点で、「安全」や「安心」が引っ込んでしまいました。消費者は、虫食いや姿形だけを問題にしているわけではない。食べ物は「安全」で「おいしい」がいい。本来の消費者ニーズは、とてもシンプルなことだと思うのですが・・・。

農産物は一般に、大きさや見た目などの規格が細かく定められています。市場に行くと、美しく立派な、まさに「箱入り」の野菜が並んでいます。その一方で、2、3か所に虫食いがあるとか、ほんの少し形がいびつ、程度の「これが?」と驚くような、破格に安い「規格外品」というものもあるのです。

生産者にとって「規格外」は恐怖です。買いたたかれるか、最悪は値もつかずに廃棄、ということも。この憂き目に会いたくないから、プロの農家は農薬を使います。自家用の家庭菜園では、美しすぎる野菜も作れませんが、見た目うんぬんで捨てることもなく、農薬は使いません。そして、おいしい!

なぜ農薬や化学肥料を使うことが当たり前になってしまったのか??? そのあたりを考えていくと、有機農業やオーガニックといわれる世界が少し見えてくるかもしれません。

あいうえオーガニック

無農薬じゃなくて、農薬不使用?

野菜で「特別栽培農産物」という表示をご覧になったことはありますか?
これまでにお伝えしたように、有機農産物は、「収穫前の3年以上、禁止された化学合成農薬・化学肥料などの使用がない田畑で栽培された農産物」を、専門の検査員が検査し、国に指定された登録認定機関が認定したものです。

これに対して、特別栽培農産物は、農水省が定めたガイドラインに沿った表示で、有機栽培ではないけれど、農薬と化学肥料の使用量が慣行栽培の半分以下のものに対して、栽培責任者、確認責任者明示の上、表示ができる仕組みです。

ここでは、これまで無原則に使われてきた「無農薬」「無化学肥料」などの言葉使いは、その農産物や畑に農薬・化学肥料が全く含まれていないとか、有機栽培より安全性が高いなどの勘違い(優良誤認)を招きやすいということで、禁止されています。より厳密に、「栽培期間中農薬不使用」などの言葉使いに改められ、「減農薬」「減化学肥料」では、回数や量の記載が求められています。

このように、特別栽培農産物は、有機栽培と慣行栽培のちょうど中間に位置する表示です。 数年後の有機栽培への途中段階にある「オーガニック予備軍」と位置づけることができます。

くわしくは・・・ 農水省・特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A